2013年7月の映画

7月は17本鑑賞。

正確なところは分からないけど、きっと今まで生きてきた中で最もたくさん映画を観た1ヵ月だったのではないかと思う。仕事がすごく忙しかった上に、とてもとてもとても嫌な出来事があって。情けなくてやるせなくて怒りも湧くし涙も出るし、気持ちがもう滅茶苦茶になるようなことで、悲しいことに私はそれを誰かに話して発散できるタイプではないしそもそも話せる相手はいないしで、そんなときに映画をひたすら見続けたら気持ちを落ちつけて癒すことができた。本を読むことほど力はいらなくて、気持ちも内に向かないし、画は綺麗で心が洗われるようだった。それもそのはずで、最近は評判がいいものを片っ端から観ていっているから、大きなハズレはないし、綺麗な作品が多かった。

そうやって観ていて思ったのは、評判がいいからといって自分の好みに合うかは分からないということ。その逆も然りで、あまり話題になっていなくても観てみると好きな作品もあった。
それから、観た後の心地よさとその映画の良さは必ずしも一致しないのではないかということ。例えば「ブリジット・ジョーンズの日記」や「キューティ・ブロンド」は観たあとすごく幸せで楽しくて最高な気持ちになったけど、観たあともずっとあるシーンが繰り返し浮かんできては思いを馳せていたのは「17歳のカルテ」や「つぐない」のような観たあとあまり心地よくなかった作品だったりする。特に「17歳のカルテ」は今でもいろいろと考えるし、数々のシーンが脳裏に焼き付いて離れない。

2013年7月の鑑賞メーター
観たビデオの数:17本
観た鑑賞時間:1913分

耳をすませば [DVD]
もう何度も観ているのに毎回新しい発見があるような気がする。それくらい演出が細かくて繊細で、そのひとつひとつが心に染みてくる。今回は、そうは言っても中学生だしふたりの未来は別々になってしまう可能性もあるよねって大人のふりして観ていたけど、最後のシーンで、このふたりの未来は重なってる絶対と確信して、今まで以上にさらにこの映画を好きになった。【テレビ】
鑑賞日:07月05日 監督:近藤喜文

ラブ・アクチュアリー [DVD]
「世界は愛で溢れている」クリスマス目前のロンドンを舞台に、様々な愛の物語が展開する群像劇。やがてクリスマスと共にそれぞれの愛が結末を迎えるのだけど、その結末が絶妙なバランスですごく良かった。中でも好きだったのは、親友の彼女に恋をしてしまう話。切ないけど力強かった。恋人、夫婦、親子、友達、仕事仲間と、至るところに愛が溢れていて、挨拶がわりにハグする文化っていいなって羨ましくなった。【DVD】
鑑賞日:07月06日 監督:リチャード・カーティス

幸せになるための27のドレス 特別編 [DVD]
結婚式に憧れを抱き続けながら、ブライズメイトとして他人の結婚式を手伝ってばかりのジェーンは、片想いの相手を妹に奪われ、2人の結婚式を手伝うことに。というと重い話のようだけど、実際は気軽に観れるラブコメ。私は妹がいる長女なので、頼まれたらNoとは言えないし、助けちゃうし、我慢しちゃうジェーンにすっかり感情移入。長女が我慢を重ねて爆発するときは本当ひどいんだよね。そんなわけでケビンの外見が全然好みじゃないけどあんな風にされたら好きになってしまうと思った。27のドレスを捨てるシーンがいちばん好き。【DVD】
鑑賞日:07月06日 監督:アン・フレッチャ

■グッド・ウィル・ハンティング [DVD]
とても良い映画だった。最初から最後まで、おしゃれだし心に響くセリフと構成、エンドロールも素敵だった。マット・デイモンベン・アフレックが実際にも親友でこの脚本を共に作り上げたというのがまたこの映画を引き立てていると思う。全ての人にとって完ぺきでなくていい。相手にとってお互いが完ぺきであればいい。他人に自分をさらけ出せるって大切で素晴らしいことだと思った。「君は悪くない」と繰り返すシーンも良かったけど、最後にウィルの部屋をベン・アフレックが覗き込むシーンがいちばん好き。 【DVD】
鑑賞日:07月07日 監督:ガス・ヴァン・サント

ネバーランド [DVD]
ジェームズ・バリが「ピーター・パン」を生み出すまでの実話に基づく話。ネバーランドの定義や信じる心という部分にはあまり心を動かされなかったけど、小さい頃から大好きなピーター・パンが生まれた背景にあったバリとピーターの心あたたまる交流に感動した。ジョニー・デップはこういう普通の役の方が好きだし、演技の上手さが引き立つと思った。【DVD】
鑑賞日:07月13日 監督:マーク・フォースター

■P.S.アイラヴユー プレミアム・エディション [DVD]
観る前に期待しすぎていたのかもしれない。夫を失った妻の哀しみ、妻を残して先立つ夫の妻への思い、そういったのがあまり伝わってこなかったからか、ずっと退屈しながら観てしまった。でもクライマックスでホリーがママに泣きつくところからはすごく良かった。やっとちゃんと泣けたし、夫の死とも父を追い出した母親とも向き合うことができたんだって、そこだけでも観れてよかったとは思う。【DVD】
鑑賞日:07月13日 監督:リチャード・ラグラヴェネーズ

ブリジット・ジョーンズの日記 [DVD]
期待以上にすごくおもしろかった!間抜けだけど素直で一生懸命なブリジットはかわかいかったし、コリン・ファースて好きな顔じゃないけど初めてかっこいいと思った。コリン・ファースヒュー・グラントの殴り合いもすごかったなー声を出して笑ってしまった。"I like you very much, just as you are."ていい言葉。原作を読んでみたくなった。【DVD】
鑑賞日:07月13日 監督:シャロンマグワイア

■水曜日のエミリア [DVD]
登場人物の誰にも共感はできないけど、私はすごく好きであまり話題になっていないのが勿体ない作品だと思った。不倫、略奪愛、ひねくれた継子、実子の死、ヒステリックな前妻、離婚した両親。と、これでもかというほど家族の問題があってとても重い話だし、最後もすべて解決するわけではない。人生ってきっと解決しないことの方が多いけど、それでもやめられないから、続いていくから、大切なものが見えてくる。最後のエミリアと継子のシーンがすごく好き。【DVD】
鑑賞日:07月14日 監督:ドン・ルース

■ポテチ [DVD]
原作既読。安定のゆるさで安心して観れた。でも仕方がないけど黒澤は大森さんのイメージではなかったな。木村文乃がすごくよかった。【DVD】
鑑賞日:07月14日 監督:中村義洋

17歳のカルテ コレクターズ・エディション [DVD]
社会の常識のようなものから少し外れるだけで病院送りにされる。そんな時代があったのだと衝撃を受けたのと、印象に残るセリフが多かった。スザンナの「現実の死を目の当たりにすると、今まで望んでいた死が夢想だったのだと気がつく」、リサの「崖っぷちの人間は大勢いる。実はみんな背中を押されたがってるんだ」。そして何よりアンジーの存在感!忘れられない映画のひとつになると思う。【DVD】
鑑賞日:07月14日 監督:ジェームズ・マンゴールド

ジェイン・オースティン 秘められた恋 [DVD]
切ない。でもジェインの選択は間違っていないし仕方がないと思った。彼女の小説を読んでいないけど、この経験が彼女を素晴らしい小説家にならせたのかなと思った。トムがロンドンに帰る前日の舞踏会でのダンスシーンがすごくよかった。それにしても、ジェームズ・マカヴォイ目当てで観て、ジェイン・オースティンが実在の人物で彼女が小説家であることなど全く知らず、観ている途中で気づいた自分の良識のなさに恥ずかしくなったり。マカヴォイはこの時代の格好が似合っていてかっこよかった。【DVD】
鑑賞日:07月15日 監督:ジュリアン・ジャロルド

■つぐない [DVD]
切なく、悲しく、美しい。マカヴォイ目当てで観たけれど素晴らしい映画に出会えたと思った。音楽、タイプライターの音、映像、色使いなど、すべてが美しくてひとつの芸術作品みたい。それにストーリーも、特にラストに真実が明かされる構成がすごくて、衝撃を受けた。自分の感情が先入観になり気づかないうちに物事の見方をゆがめてしまうことがあるという恐さや戦争に運命を翻弄されていくやりきれなさを感じた。【DVD】
鑑賞日:07月19日 監督:ジョー・ライト

キューティ・ブロンド 特別編 [DVD]
楽しくて爽快で素敵な映画だった。「ブロンドだから議員の妻にふさわしくない」という理由でフラれ、ハーバードのロースクールに入学したエルが、可愛くておしゃれで努力家で優しくて純粋で、その姿から元気をもらえる。どんなに偉い立場になっても(もちろんそれも彼女の努力の賜物だけど)、思いやりと自分らしさが変わらない彼女が本当に素敵だと思った。【DVD】
鑑賞日:07月21日 監督:ロバート・ルケティック

愛を読むひと (完全無修正版) 〔初回限定:美麗スリーブケース付〕 [DVD]
心に重く訴えかけるものがある映画だった。コンプレックスって周りからしたら大したことでなくても、本人にとっては常に重くのしかかっているもので、それが言動や時には人生を左右させる。彼女にとっては、罪が重くなってまでも隠したいことだったということ。彼女が自分の過去の行為に対する罪の意識が薄いこともそれが一因のような気がした。彼は、彼女の行為を憎む気持ちと、彼女を愛する気持ちの葛藤の末、罪を自覚させ償わせようと思って朗読を続けたのだと思う。でも最後はすれ違ってしまった。とても悲しい結末。【テレビ】
鑑賞日:07月21日 監督:スティーヴン・ダルドリー

ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月 [DVD]
前作に比べると残念だったかな。ブリジットが序盤であまりにも周りが見えていなくて呆れてしまった。でも話が進むにつれて(タイ旅行くらいから)おもしろくなって、マークとダニエルのケンカは最高だったし、友達に後押しされながらブリジットがタクシーに乗り込んでマークに会いに行くところがすごくよくて全体的には楽しかった。それにしても何でマークがあんなにもブリジットを好きなのか分かるようで分からない(笑)。【DVD】
鑑賞日:07月23日 監督:ビーバン・キドロン

マイ・ブルーベリー・ナイツ スペシャル・エディション [DVD]
映像が凄く綺麗なのと会話の雰囲気が自然なのがよかった。「ブルーベリーパイがいつも手つかずで残るのはブルーベリーパイのせいじゃない」という台詞が好き。そしてカウンター越しのキスシーンはカメラワークが巧くてとっても素敵だった。でも、待ってくれてる相手によっては変われるという締め方が好きじゃないのと全体的にストーリーはパッとしないように思えたかな。ナタリーとの話は好きだったけど。【DVD】
鑑賞日:07月27日 監督:ウォン・カーウァイ

風立ちぬ
この映画を観ることができてよかった。それに尽きる。酷い戦闘機だと思っていた零戦を作ったのは、夢を抱いて愛する人がいる、生きている人間だった。当たり前だけど、それを痛烈に感じた。それと、菜穂子が虹を見たときに言った台詞が全てなんだと思う。生きてるとしんどいこともあるけど、絶対にそれだけじゃないはずだから。それから映像の綺麗さや動きの繊細さに感動した。実写だと安っぽくなるものもアニメだとそうはならなくて、大人のアニメもいいなと思った。でもそれはジブリだからできることなのかもしれない。【映画館】
鑑賞日:07月27日 監督:宮崎駿

鑑賞メーター
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