2013年7月の読書

小説5冊、まんが2冊。

7月はあまり読めなかった。家ではほとんど本を読まずに映画を観ていたせいかも。

久しぶりに伊坂さんを読んでやっぱりこの人の小説は好きだなと改めて実感した。今回私が読んだ「SOSの猿」もとても面白くて好きだったんだけど、それを読んだ人の感想を見ると、マイナスな感想が多くて少しショックを受けた。私は特に「魔王」以降のいわゆる第二期だとか、もやもや系と言われている作品の方が好きだけど、それ以前の作品ももちろん好きで。嫌いなのがないんだよね(でも「グラスホッパー」は殺人の描写がリアルだから苦手だ)。それって伊坂さんが書きたいものが自分の好みに合ってるということで、とても幸せなことなのだと気づいた。

それから「ブリジット・ジョーンスの日記」を読んで、私の中でブリジットブーム到来!笑
いま続編の下巻を読んでいるところで、それを読み終えたら原書を読むつもり。それから、元ネタ(という表現が正確なのか分からないけど)の「高慢と偏見」も読もうと思っている。楽しみ。
しかし、なかなか原書のペーパーバックを見つけられないので頭を抱えているところ(古本屋で)。*1

2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2211ページ
ナイス数:73ナイス

■SOSの猿 (中公文庫)
おもしろかった!伊坂さんの小説の中でも特に好きかも。と思いつつ解説を読むと、私が特に好きなのって第二期の、肩すかしものと言われる作品ばかりだと知った。「私の話」と「猿の話」が別々に進行する中で、やがてひとつに重なる展開が見事。加えて今回は二郎の感受性が豊かな性格が自分と重なって最初から他人事と思えなくて、最後は救い上げられた気持ちになった。「それでいいんですよ」、分からなくても、くよくよしても、誰も救えなくても、できることをやればいい。文章化には限界があっても、小説を書いていく。ということかなと思った。
読了日:7月1日 著者:伊坂 幸太郎

■Black Jack―The best 12stories by Osamu Tezuka (1) (秋田文庫)
もう何度目か分からない再読。どの話も1ページ目でストーリーを思い出してしまうくらいだけど、何度読んでも、いつ読んでも、色褪せない魅力がある。命の尊さと厳しさに謙虚に向き合うブラックジャックの姿に、静かに、でも熱く心に迫るものがある。特に好きなのは、選び難いけど、やはりピノコが生まれる話かな。手塚治虫の奥さんによる解説もよかった。
読了日:7月6日 著者:手塚 治虫

■バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)
おもしろかった。好きだなー。って私は伊坂さんの小説を読むたびにまずこう思っている気がする。主人公の星野が「あのバス」で連れていかれる前に、同時に付き合っていた5人の女性に別れを告げていく連作短編。いつもながら、重い題材を笑いを交えて軽くしつつ描いてあって、不思議と心地よい余韻に浸れる。星野と繭美の言葉遊びのような会話も楽しかった。いちばん好きなのは第五話と第六話。終わり方がすごくいい。それと、ゆうびん小説という企画を知らなかったけど、家のポストに小説が届いていたらそれはうれしいし楽しいだろうなと思った。
読了日:7月7日 著者:伊坂 幸太郎

グレート・ギャツビー (新潮文庫)
レオ主演の映画が良かったので読んでみることに。原作もとても良かった。華やかで虚しくて切なくて、人間の美しさと愚かさが溢れていた。ギャツビーにとって富や名誉は人生の目的ではなくて、デイジーを手に入れる為の手段だった。夢に向かって努力する、純粋で豊かな心と力を持っていたのに、求めていたのは過去のデイジーだったなんてやるせない。「こうしてぼくたちは、絶えず過去へ過去へと運び去られながらも、流れにさからう船のように、力の限り漕ぎ進んでゆく。」という表現が秀逸。映画のおかげでだいぶイメージしやすかった。
読了日:7月13日 著者:フィツジェラルド

青空エール 12 (マーガレットコミックス)
この作品はつばさのがんばりを見守るスタンスでいつも読んでいて、今回コンクールメンバーに選ばれてそれだけで感動していたのだけど、最後にやられた。初めて大介に心を動かされたかも。言わなくても分かりきっていたけど、ようやく言ってくれたという気持ちになった。本当にどこまでもまっすぐ。つばさも大介も。
読了日:7月14日 著者:河原 和音

ブリジット・ジョーンズの日記
もう最高!今さら映画を観て今さら読んだのだけど、今(の年齢)だからこそこんなにも笑えて共感して楽しめたんだと思う。恋愛、仕事、家族、友達、ダイエットと、悩みはいろいろあって落ち込んでも、前に進んでいくブリジットにすごく励まされた。そしてマークは映画よりさらに素敵。ブリジットとその周りのドタバタ劇だけでなくて、イギリスの生活習慣や文化を垣間見れて楽しかったし、社会や歴史に対するシニカルな表現もおもしろかった。「高慢と偏見」を読んでいたらもっと楽しかっただろうな。それと原書を読んでみたくなった。
読了日:7月23日 著者:ヘレン フィールディング

ブリジット・ジョーンズの日記―きれそうなわたしの12か月 春夏篇
前作でマークと結ばれたブリジットだけど、現実はそこでめでたしめでたしにはならない。今回はハッピーエンドの先のお話。前作よりもドタバタ劇がパワーアップして少しついていけなかった部分もあったけど、とても楽しかった。出来事は非現実的でも、ブリジットにはすごく共感できるから。何気に毎回日記の始めに書いてある体重、アルコール、煙草、カロリー、ボーイフレンドなどの数値に対するコメントが一番面白いと思う。毎回クスクス笑ってしまう。体重95キロ(私自身の重さと不幸の量の重さの合計)とか。無茶苦茶だけど、気持ちは分かる。
読了日:7月29日 著者:ヘレン フィールディング

読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

*1:最近古本屋で本を買うことにジレンマを抱えているのだけどそれは今は割愛