My back page

やっと観に行ってきた。お気に入りの単館で。来週末で公開終了だけど、席半分以上埋まってた感じ。
今年公開の松山くんの映画を全部観に行こうと決めていたから観に行くことは当然だったんだけど…


ティーチイベントでの妻夫木くんのトークを記事で読んで完全にこの映画の見方が変わりました。(もちろん同じ場で松山くんが福島で瓦礫撤去を手伝っていると言っていたのにも感銘したけど)

「単純に『面白かった』で終わってほしくない映画。とにかく見て感じてくれよ、という気持ち」
「本物って何だろうと真剣に見つめる時期が来たと思う。日本映画も“テレビの映画”ばっかりで、それがヒットしている事実もある。僕自身もそういう作品に出ていますし…。でもそろそろ意識を変えていかないと、海外に発信できる日本映画がますます減っていくように思う」

正直、面白くなさそうだなーって思ってたんだよね。だから誰かを誘っては行けないなと思って一人で行った。そして、観た後も、やっぱり面白くはなかったなあっていう。だけど、面白くなくてもいいと思ったのは、この妻夫木くんのコメントがあったからだと思う。

それから、監督が、共感できる人がいなくていいと言っていたのも印象的だった。私は、映画にしろ本にしろ、共感できるからおもしろい、楽しい、自分を発見できるなどという短絡的な考えに陥ってる人だから。たしかに、共感できたというか、寄り添えた人はひとりもいない映画だった。梅山は吐き気がするくらい嫌なヤツだったし、沢田は亡くなった自衛官の名前を知らないというありえないほど独りよがりなヤツだった。でも、だからといって映画自体の評価はそれに左右されないものなんだ。

面白かった。楽しかった。感動した。
観終わったあと、そういう感想が一切出てこない映画だった。それが不思議な感覚でもあり新鮮な感覚だった。
でももしかしたら、面白かったという一言で終わらないものこそ、深みがあって考え続ける、良いものなのかもしれない。

何を信じて生きていくかって大事なんだと思う。
かろうじて、私が綴れる感想はこれだけだなあ。

あと、最後のシーンは秀逸です。妻夫木くんの映画をDVD借りて観てみようと思わされた。

★★★★☆