新世界

ゆずのアリーナツアーに行ってきました。
7月5日(土)、7月6日(日)。グリアリ。

以下、ネタバレあり。


今回のアルバムは事前にあまり聴きこめなかったけど、聴いた第一印象として統一感があまりなくて、ツアーでひとつの世界観を作りだすのが難しそうだなと思った。去年末から今年の初めにかけてシングルリリースが続いていて、それらが映画やドラマやCMとのタイアップ曲だったから自然と曲の雰囲気が多様化しちゃったのかなと。仕方ない。ゆーじんが昔はタイアップが嫌いでやっていなかったと話していて丸くなったなーってほくほくしていたんだけど、こんな余波が…。

そして蓋を開けると、やっぱりそうだよねーという印象は否めなかった。ただ、それでももちろん楽しくて。ユートピアで誘って、四間道路、サヨナラバス、月曜日の週末、嗚呼青春、という流れに、私の青春ー!!ってなったし、アルバムを聴いたときに、四間道路は嗚呼青春と呼応している!って分かったからそう演出してくれて嬉しかった。嗚呼青春は私が10代の最もしんどいときに聴いていた曲で…(涙)。

今回いちばん楽しかったのはスマイル音戸。それぞれミニトロッコに乗ってセンステに来て、浴衣姿で踊るゆーじんの笑顔が優しくて。年代別に立って踊ったりもしたんだけど、私は若者世代だった(でも1日目はゆーじん間違えて10代20代なのに子ども世代って言ってた。子ども扱いされてるうーってなっていたのに2日目に言い間違えだったと判明)。来年は同世代になるよ。来年もあったらいいな。「はい、ゆっくり立ってねー意外と衰えてるから」とか言われるんだよ楽しみ!スマイル音戸がリリースされた頃は、今の私では考えられないけどゆずの変化に戸惑っていた時期であまり記憶にないし、自然とゆずの曲から少し遠ざかっていた時期だった。そんな時期の曲でこんなに楽しんで、思い出を重ねることができてうれしい。昔の曲が歌われるとゆーじんの歌が上手くなってるのがとてもよく分かる。歌も、歌いながらの演技もどんどんうまくなってる。進化が止まらない。

それからまさかの潤子とムーチョが登場するなんて!とってもうれしかった!12年越しの登場で、潤子は輪郭のラインがぼやけてるし、ムーチョはとにかく頭が・・・。という感じだったけどさすがゆず!さすがゆーじん。振り切ってる。ただ、メイクと着替えに時間がかかるから、その分曲が少なくなるのが残念だけど、そこは新たに撮ったものを加えたこれまでのあらすじVTRとゆーじんの落語でわりと楽しい待ち時間だった。落語の冒頭、「ライブの途中で落語だなんて、歌番組でアイドルに挟まれているアラフォーフォークデュオくらい場違いですが」っていうのが可笑しかった。Mステで嵐とえけびさんに交じっているゆずが思い浮かんだw落語の中では他に、ゆずのANNを聴いている夫に対して妻が「おじさん二人の話のどこかおもしろいの」と言うところがあって、私はにのに対してはしょっちゅうおじさんだなーって思っているのにゆずに対してはそう思っていないことに気づいて不思議に思った。何でかな。ちなみに嵐の中でおじさんだなーって思うのはにのとさとしくんだけ。←

落語のあとは世界観をガラっと変えて、レトロフューチャー、表裏一体。レトロフューチャーは仮面ライター並みのかっこいいゆーじんを観れると期待していた。そしてその期待は裏切られなかった。ロックなゆーじんは最高にかっこよかった。ノースリーブの黒い衣装で、フードを被っていた。ライトセーバーを振り回し始めて何この既視感…となったのは別の話(らいばっくとぅーゆーことば重ね〜って聞こえてきたのは気のせい)。ただ、“レトロフューチャー新しきものと古きものを組み合わせる化学反応”をもっと見てみてみたかったな。

続いて、ええじゃないかメドレー。ゆーじん曰く「アゲアゲ」で「尺が長い」メドレー。TWL、イロトリドリ、シシカバブー、超特急、少年、ラブピ―、いちご、ラブピ―、TWL。こう並べてみると改めて盛りだくさん感がある。どれもライブで盛り上がる曲の定番だから、ゆーじんが話していたとおり、どれにするか困った結果のメドレーだと分かる。踊りまくって暑い暑い。

最後は、ヒカレ。ここでメインステからセンステへ歌いながらスケステで移動。何この既視感!(二回目)この距離感懐かしいよーうってちょっと切なくなってしまったのは別の話。どうせならそのままバクステまであればよかったのに。センステで歌ったあとスケステでメインステまで戻って本編終了。

アンコールは、アリーナの袖からゆーじんが神輿に乗って登場!夏色のイントロで、ソレソレソレソレ、もみもみもみもみ、わっしょいわっしょい言いながら。厚ちゃんは安定のメインステ待機(笑)。ゆーじんのはっぴが袖がないやつでお子さま仕様でかわいかった。夏色のあとは、挨拶、雨のち晴レルヤでフィナーレ。挨拶では、続いていく日々こそが新世界だと思っていて。デビューして18年、楽しいことばかりだった。でも時にはつらいときもあった。みんながつらいときは本当だったら、そばに行って話したい。でもそれはできないから、そんなときは僕らの歌が力になれたらと思う。乗り越えるのは自分しかいないから。祈りと願いをこめてこの曲を贈ります。というようなものだった。乗り越えるのは自分しかいないっていう言葉が心に響いた。雨のち晴レルヤって本当にいい曲だよね!!と思う。ごちそうさんは見てなかったけども。

雨のち晴レルヤが終わって出演者全員で三方向に礼をして、ゆずを残して出演者みんながはけて。「本来ならこれで終わりですが、広島で歌いたい曲があります」と言って、Hey和。普段は横浜で暮らしていて正直いつも考えているわけではないけれど、広島に来るとやはり考えさせられる。考えさせてくれる大切な場所というようなことを話していたかな。去年は2日目だけだったけど、今年は両日歌った。性格悪いから、これ定番になって広島の競争率高くなったら嫌だなーって思っちゃったよつくづく性格悪いよ。今はバンドやオケなしで二人だけで歌うってあまりないし。そんなこんなで素直に聞けなかったかなしみ。

全体的に今回は自分ががんばれてない時期だから、あまり入り込めなかったと思う。ゆずの曲はがんばってないとちゃんと聴けないんだよね、特に最近の曲は。今全然がんばれてないから仕方ない自分が悪いってちょっと落ち込んでいたけど、これを書くために振り返っていたら、今からがんばろうという気にもなった。

前日の金曜日に、ローカル番組でゆずが平和公園を訪れて、原爆ドームの中や、資料館に入ったときことが放送されていた。その中で、10回以上資料館を訪れているけど、来るたびに感じることが違うと話すゆーじんが「こんな焼け野原に自分の子どもがひとり立たされると思うと…」って声をつまらせている姿を見てお父さんになったんだなーって思った。そしてテレビの取材がなくても毎回慰霊碑に手を合わせに来ているだけでなく、資料館にも何度も訪れていたと知ってゆーじんの誠実さに頭が下がる。

今年も広島にきてくれて、ありがとう。またあおう。